クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
彼の様子が気になりながらも、私も自分の仕事に取り掛かった。

明日で佐藤さんが最後なんだもん。私も集中しなくちゃ。

彼女に見てもらいながら事務処理をしていると、パープルのエレガントなスーツを来たショートヘアの女性がオフィスに入ってきた。

モデルみたいに綺麗で背が高い。百七十センチくらいありそうだ。

「朝比奈、元気そうね」

ショートヘアの女性が微笑みながら、朝比奈先輩の元へ歩く。

すると、この場の空気がパアッと華やいだ。まるで彼女が薔薇の花のよう。

「五十嵐も変わらないな。打合せはこっちでする」

朝比奈先輩もフッと笑みを浮かべながら立ち上がると、隣にあるミーティングルームに彼女を案内する。

二人並ぶと美男美女でお似合いで、胸がズキンと痛んだ。

「佐藤さん、あの五十嵐さんて人、誰ですか?」
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