クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「五十嵐亜季。朝比奈さんと真田さんの同期よ。バリバリのキャリアウーマンで今はパリ支社にいるんだけど。今日の打合せの相手って五十嵐さんだったのかあ。あの三人が揃うとやっぱ迫力あるわね。モーターショーがらみよ、きっと」

昔を懐かしむような顔で佐藤さんがクスッと笑う。

「五十嵐さん、相変わらず美人ですね。いや、パリに行ってますます洗練された感じかな。僕の趣味じゃないですけどね」

織田君はあまり興味なさそうに五十嵐さんに目をやると、すぐにパソコン画面に視線を戻す。

「池野さん、彼女の事、気になる?」

資料を印刷していた真田さんが私達の方を振り向くと、私は彼に向かってコクリと頷いた。

「朝比奈先輩と親しいなって思って」

「まあ、彼女は有能だし、性格も朝比奈に似てるとこがあって結構仲が良かったよ」

仲が良かった?

それって同僚としてだろうか?それとも……?

「池野さん、ミーティングルームにコーヒー三つ頼める?」
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