クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
なんか佐藤さんって見た目は三十くらいだけど、この課のお母さんみたい。

「僕、帰国子女なもんで、日本語おかしいんですよ。で、隣の可愛い子は佐藤さんの後任ですか?僕、織田海斗です。二十五歳、独身、彼女募集中。宜しく」

織田くんが人懐っこい笑顔で私に手を差し出す。

「池野陽世莉、二十六歳です。宜しくお願いします 」

私も右手を差し出して織田くんに笑顔で挨拶するが、彼は私の手をつかんだまま離さない。

「 陽世莉ちゃんて言うんだ。可愛い名前だね。それにしても、手、小さくて細いね。すぐに折れちゃいそう。髪もセミロングの綺麗な茶髪だし、目もぱっちりで僕の好みだな 」

「あんたはその手を離しなさい。それ以上握ってるとセクハラよ」

佐藤さんがグーで織田くんの頭を殴ると、彼は顔を歪めながら頭を押さえた。

「いてっ!佐藤さん、凶暴。お腹の赤ちゃんに悪影響ですよ」

「そう思うなら怒らせるな。池野さん、こいつの事は適当に無視していいからね」
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