クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
佐藤さんが眉をしかめると、織田くんは苦笑した。

「佐藤さん、酷いな」

「仲良いんですね」

二人のやり取りを見て思わず笑ってしまう。

「じゃあ、僕とも仲良く‼」

織田くんが再び私の手を掴もうとすると、朝比奈先輩が割って入った。

「織田、会社で軟派しない。朝礼始めるから池野さん前に来て」

無表情の朝比奈先輩と目が合って、一瞬にして身体が硬直する。

「……は、はい」

ぎこちない動きで朝比奈先輩のとこまで行き、営業部のみんなの前に立つ。

営業部のメンバーは八人。営業が七人に庶務がひとり。女子社員は佐藤さんひとりだけ。

「佐藤さんの後任の池野さんだ。引き継ぎ期間も短いし、みんなふたりをフォローしてやってくれ」
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