クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
仕事に集中してる時はなんとか忘れていられたのに……一人になると……考えずにはいられない。

今日は誕生日だっていうのに……全然嬉しくない。

朝、友達から誕生祝いのメールが何通か来てたけど、気分が落ち込んでて返事も出せずにいた。

午後は佐藤さんが最後の挨拶回りに行くのに一緒についていってスマホなんて見る余裕もなかったし……。

今日はなんだかあの家に帰る気がしない。

一人寂しくあの家のリビングで綺麗な夜景を眺めたら、もっと気分が暗くなって孤独を感じてしまう。

やっぱり今日はひとりになりたくない。帰りたくない。

現実逃避したくなって、私は駅の近くにいるまんが喫茶に足を運んだ。

ブランケットを借りて、リクライニングシート椅子がある個室に入る。

今日はもうあの家に帰るつもりはなかった。

明日は土曜日だし、朝になったら帰ろう。
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