クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
そう決めて、スマホを取り出して画面を操作する。

着信やメールが来てたけど、全くチェックせずに執筆中の小説の続きを考える。

きっとまた友達からのメールか、朝比奈先輩の泊まりの連絡メールかもしれない。

今は朝比奈先輩のメールなんて見たくなかった。

見ればきっと……彼と五十嵐さんが一緒のところをまた想像してしまうから。

執筆に集中している間は、現実の事なんて忘れていられる。

実際、飲み物を取りに行ったりたまに息抜きをした事もあったけど、朝の六時くらいまでずっと話を考える事に没頭していた。

もし……これが出来たら、何かの大賞に応募しようかな。

そんな事を考えながら、カップを片付けて受付で会計を済ませると、電車に乗って朝比奈先輩の家に帰った。

カードキーでドアを開けると、意外なものが目に映って私はもう一度ドアを閉めてしまいたくなった。
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