クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
17、誕生祝い ー 悠人side
「朝比奈先輩、一泊分の着替え準備しろって……一体どこに行くんですか?」

車の助手席に座ったひよこがシートベルトを締めると、不安げに俺に聞いてくる。

ひよこがシャワーを浴びた後、軽く朝食を済ませると、俺は彼女を車に乗せ車を発進させた。

「それは秘密だ」

クスッと笑いながらカーナビの画面を操作して渋滞をチェックする。

東名はまだこの時間はそれほど渋滞はしてなさそうだ。

今が八時だから、お昼前には何とか伊豆に着きそうだな。

昨日の夜、ひよこが戻って来なかった時は、本当に何か事件に巻き込まれたんじゃないかと思って気がおかしくなりそうだった。

電話しても、メールしても……彼女とは連絡が取れない。

そんな状況にどれだけやきもきしただろう。

朝の七時までに戻らなければ、本当に警察に捜索願いを出すつもりだった。
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