クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
フッと笑ってひよこの手からジャケットを受けとると、俺は素早くそれを羽織り、車を降りて助手席のドアに向かう。

ひよこもコートを羽織って車を降りると、俺は彼女の手をつかんで指を絡めた。

「朝比奈先輩?」

ひよこが恥ずかしそうに俺を見上げる。

「ちょっと寒いし、この方が温かいだろ?」

「温かいですけど……‼」

「ほら、行くぞ」

恥ずかしがるひよこの手を強引に引いてチケットを買い水族館の中に入る。

イルカと触れ合う水槽に行くと、イルカが三頭気持ち良さそうに泳いでいた。

「わ~、イルカって本当に可愛いですね」

イルカの愛らしい姿にひよこのテンションが上がる。

こんなにはしゃいで嬉しそうな彼女は初めてだ。

係員の説明を聞き、実際にイルカに触れながら魚の切り身をイルカにやる。
< 232 / 297 >

この作品をシェア

pagetop