クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「イルカの肌の感触ってナスみたい」

俺の横でにっこり笑いながらひよこがイルカに優しく触れる。

「確かにナスとかゴムみたいな感触だな」

ひよこの笑顔を見ながら頷き、俺は微笑み返した。

彼女が係員の指示通りにイルカに合図を送り、頬にキスされると「うわっ」と声を上げる。

俺はその瞬間をスマホのカメラに収めた。

「イルカにキスされた感想は?」

「……イルカが勢いよくやって来たので頬がちょっと痛いです。キスされたというよりは、激突された……ような」

ひよこが苦笑しながら頬を押さえる。

「加減が難しいんだろうな」

「でも、やっぱりイルカ可愛いですね。見てるだけで癒されます」

「それは良かった」

「連れて来てくれてありがとうございます」

満面の笑みを浮かべるひよこを見ていると、連れて来て良かったと本当に思う。
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