クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
ピンクの花模様の浴衣は、彼女にとても合っていていつもと違う雰囲気でいい。

化粧なんてしてなくても、その綺麗な姿にハッとする。

ほんのりピンクに色づいた頬、まだちょっと濡れている髪。

すごくそそられる。

触れたいって欲にかられそうになる。

「内風呂はひのきだし、露天もあるし、贅沢ですね。両方入っちゃいました。湯加減もちょうど良かったですよ。ん?朝比奈先輩?疲れちゃいました?」

ひよこが無防備にも俺に近づいて来て屈むと、俺の肩に触れる。

ちょっとはこの状況がどれだけ危険か自覚して欲しい。

その姿で近寄られると、触れずにはいられない。

今……キスしたら……キスだけで終わらせる自信がない。

「いや、何でもない」

自嘲するように笑うと、ひよこの目をじっと見つめ彼女の頬に触れた。

「その浴衣、似合ってる」
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