クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
音が気になったのか、ひよこが布団からバサッと起き上がる音が聞こえた。

「さあ?鳥か猫かな」

目を閉じたまま俺は適当に答える。

「そ、そうですよね」

音にびっくりしたのか、ひよこの声が震える。

また布団に入ってまどろんでいると、今度はバキッと木がきしむような音が聞こえた。

「朝比奈先輩~!今の音……何でしょうか?」

……これではいつまで経っても眠れない。

「怖いなら、こっちで寝ればいい」

「でも……そんなの……」

「昔この宿を定宿にしていた文豪の霊かもしれないぞ」

そう言ってひよこをからかうと、ひよこは「イヤー!」と声を上げた。

「そんな怖いこと言わないで下さい!眠れなくなるじゃないですか!」

眠れないのは俺だ。昨日も寝てないし、早く寝たい。
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