クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「陽世莉ちゃん、顔真っ赤だけど大丈夫? 」

隣の席の織田くんが心配そうに私の顔を覗き込む。

「え?大丈夫、大丈夫。ちょっと寝不足なだけ」

私はハハッと笑って誤魔化す。

朝比奈先輩のせいで寝不足なのは本当。でも、先輩を意識してることが顔に出ちゃうなんてマズイ。

「寝不足?そうなんだ。それならいいけど……。あっ、陽世莉ちゃん、来週の水曜日の夜、暇?」

織田くんの突然の質問に私はキョトンとなる。

「来週水曜日ですか?」

「うちの会社の定時退勤日だから、佐藤さんと陽世莉ちゃんの歓送迎会をやろうと思って。僕が幹事なんだ 」

「大丈夫です。今は習い事もしてないし、平日の夜はあまり予定入れてないから」

普段は飲み会はすぐに断るんだけど、佐藤さんの送別会という事なら話は別だ。

「それは良かった。じゃあ、その日空けておいてね。すき焼きとか好き?」
< 24 / 297 >

この作品をシェア

pagetop