クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
俺は起き上がって襖を開けてひよこのいる部屋に入ると、彼女を抱き上げた。

「周りは静かだし、和室だからひとりで寝るのは怖いんだろ?」

「ち、ちょっと先輩!」

ひよこが抗議するが、俺は問答無用で自分の寝ていた布団に彼女を横たえる。

「昨日、誰かさんのせいで寝てないんだ。今夜も俺を寝かせないつもりなら、俺にも考えがある」

悪魔のようにニヤリと笑ってひよこの首筋に触れると、彼女の身体がビクッと震えた。

「……朝比奈先輩?」

薄明かりの中、ひよこが目を見開いて俺をじっと見つめる。

震える彼女の瞳。

今の俺が怖くて声が出ないか。

このまま一思いに抱いてしまいたい。

そんな俺の邪な雰囲気を感じたのだろう。
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