クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
男の人の肌ってもっとざらざらしてるかと思ったのに、朝比奈先輩の肌は見た目通り艶々だった。

髭もそんなに伸びてないし……なんでこんなに綺麗な顔をしてるんだろう。

王子はどんな時でも王子なんだなあ。

そんな事を思いながら、セクシーなその寝顔をどれだけ眺めていただろう。

突然、朝比奈先輩に手を捕まれて、彼がクスクス笑いながら『おはよう』って私に言った時にはばつが悪くてすぐにでも帰りたくなった。

『もう!起きてたなら教えてくださいよ~!』

恥ずかしい~。

『ごめん。どのタイミングで目を開けていいのか迷った』

今度は朝比奈先輩が私の頬に触れ、目を細めながら謝った。

あの日から、さらに彼が優しくなったような気がする。

有名店のケーキを買ってきてくれたり、夜、接待や残業がない日はおしゃれなお店に食事に連れ出して美味しいものを食べさせてくれたり……。
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