クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
周りにはマスコミと招待客がいてアストライアの発表を今か今かと待っている。

真田さんの後について人ゴミをかき分け前に進むと、自動自動車『ブランニュー』の両端に社長と朝比奈先輩が立っていた。

社長が『ブランニュー』の発表をすると、朝比奈先輩が車の性能や操作方法を英語で説明する。たまにフランス語を交えジョークを言う朝比奈先輩。

自信に満ち溢れたその表情。

彼には生まれながらにしてカリスマ性があるような気がする。

朝比奈先輩の説明を聞いていると、彼がチラリとこちらに視線を向け一瞬だけど目が合った。

あっ、来たの気づかれたかな?

ドキッとしたけど、朝比奈先輩と視線が合ったのはその一瞬。

アストライアのプレス発表が終わると、マスコミは別のメーカーのブースに移動し、人が少し減ったせいか営業課の他のメンバーを数名見つけ声をかけた。

アストライアのブースではお寿司と日本酒を振る舞っていて、私も頂いていると、織田君に肩を叩かれた。
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