クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「もうフリをするのは止めにしよう」

朝比奈先輩の声が頭の中でこだまする。

……ついに来た。

覚悟していたはずなのに、実際に本人の口から言われるとショックで心が凍りそうだ。

「……そ、そうですよね」

朝比奈先輩に向かって必死で笑顔を作ろうとするが、顔が強張ってうまく出来ない。

笑え、笑うんだ。

私なんかが朝比奈先輩の隣にいるなんておかしいし……。

でも、笑えなくて……涙がスーっと頬をつたる。

こんな肝心な時に笑えないなんて……私はなんてバカなんだろう。

いま泣いたら朝比奈先輩が困るのに……。

「何故泣く?」

朝比奈先輩が私の頬に触れ、親指の腹で私の涙を拭う。

「……だって……」

ずっと一緒にいたいんだもん。

でも……これを言ったら朝比奈先輩に迷惑なだけだ。
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