クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
私も彼からのキスが欲しくてそっと目を閉じた。

重なる唇。

お互いの想いが流れ込むようなそのキスに胸がジーンと熱くなる。

高校の時の告白はあっさりと振られてしまったけど、今は……こうして私は朝比奈先輩の腕の中にいる。

十年前は予想もしなかった展開。

つくづく人の運命って不思議だと思う。

その後、ホテルに戻って、アストライアの社員を集めてパーティが開かれ、朝比奈先輩が社長である彼のお父様に私を紹介してくれた。

会長から話を聞いてた社長は笑顔で私と挨拶してくれて『孫を期待しているよ』と声を潜めて言った。

その言葉に赤面した私。

隣にいた朝比奈先輩は、社長の言葉が聞こえていたのか楽しげに笑っていた。



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