クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「いいんですか?」

「少しくらいなら良いだろ?それに、パリは恋人たちの街だ」

五分ほどのダイアモンドフラッシュのライトアップが終わると、悠人さんにゆっくり振り向かされた。

「エッフェル塔はまた明日見ればいい」

悠人さんが熱い眼差しで私を見つめる。

「陽世莉……綺麗だ」

私の耳元でそう囁くと、悠人さんは私の耳朶を甘噛みする。

それから、私の反応を窺うようにゆっくりと甘く口付ける。

私は彼の首に腕を絡め、彼のキスに応えた。

悠人さんが欲しい。自分の全部を彼にあげたい。

そんな想いに彼は気づいたのか、キスを深め、ベッドに私の身体を横たえる。

もう言葉はいらない。

悠人さんが私の身体中にキスの雨を降らせ、その夜、私達は初めて身体を重ねた。

甘美で優しい時間。
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