クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
私はこの夜の事を一生忘れないだろう。こんなに大胆になれたのは、パリの街の魔法のおかげなのかもしれない。

次の朝、朝食を食べに行こうとレストランに行くと、真田さんと絢香さんにバッタリ出くわした。

真田さんは絢香さんの手を握ってるし……これは二人うまくいったのかな。

絢香さんと目が合うと、彼女はちょっと恥ずかしそうに微笑んだ。

悠人さんと真田さんはこそこそ何か言い合ってる。

何を話してるんだろうと首を傾げると、絢香さんが私に近づき声を潜めた。

「陽世莉先輩、首筋にキスマークついてますよ」

絢香さんは遠慮がちにそう言うと、私の首筋についてる赤い痕を指差す。

うそ……。

私がハッと手で首筋を押さえると、それを見た真田さんがニヤリ。

このキスマークの事話してたんだ。悠人さんたらもう……。
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