クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
八年ぶりに会う父は白髪が増えていくぶん老けたような気がする。

「やあ、いらっしゃい」

悠人さんに笑顔を向ける父。だが、父は私と目が合ってもすぐに視線を逸らす。

やっぱり、来るんじゃなかった。

私の存在なんて忘れたいんだろうな。

今の生活が父には大事なんだ。

義理のお母さんと義理の妹の方が大事。私はこの家では邪魔者。

そう思うとまだ家の中にも入っていないのに気分が暗くなる。

「陽世莉さんとお付き合いさせて頂いている朝比奈悠人です。今日はお忙しいところありがとうございます」

「陽世莉の父の誠一郎です。狭苦しいところですが、どうぞ」

父に促され玄関を上がり、すぐ横の客間に通される。

父は義理に母を呼びに行った。

緑のソファーに悠人さんと並んで座る。
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