クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「うん」

「これからはずっと俺がいる。だから心配しなくていい」

「うん。ありがとう」

三十分ほどタクシーに乗っていると、悠人さんのマンションに着く。

彼に手を握られ家に入ると、緊張がとけて凄くホッとした。

最初にこの家に連れてこられた時は、ひどく緊張してたのに……。

私の帰るべき家はここになってる。

靴を脱いでお互い部屋着に着替えると、悠人さんが書斎から大きな段ボールの箱を持ってきた。

「それ、何ですか?」

そう言えばパリから戻って数日後に届いたっけ?

「クリスマスツリー。今までひとりだったし必要なかったんだが、今年から飾ろうと思って買ったんだ。仕事でバタバタしてて飾る余裕がなかったが。明日はクリスマスイブだろ?」

「素敵ですね」

箱を開けてツリーの飾りつけをしていく。
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