クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
私ももう二十四。結婚してる友達もいるし、このままの状態でいるのは辛い。中途半端な優しさなんていらない。

例え振られてもいい。振られるとしてもこっぴどく振られて、ちゃんとこの想いにケリをつけてから前に進みたい。

頑張れ、絢香!

ハーッと深呼吸すると、私は震える手を伸ばしてドアベルを鳴らした。

「はい」

真田さんの声がして、スリッパで歩く音がかすかに聞こえる。

心臓はバクバク。

人生でこんなに緊張するのは初めてかもしれない。

神様、どうか、どうか……私の想いが通じますように!

心の中で必死に祈り、ドアが開くのをドキドキしながら待つ。

ガシャっとドアが開いて真田さんが顔を出した。

「絢香ちゃん?どうしたの?」

スーツケースを手にしている私の姿を見て、真田さんは目を丸くする。

彼はバスローブ姿で、髪はまだ濡れていた。
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