クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「は、はい。前にいた書店でも洋書を扱っていて外国人のお客様とのやり取りもあったので問題ないです。英語での仕事は好きですし」

「そう。それは良かった。庶務の担当がもうすぐ産休に入るから、うちとしては仕事をしっかりやってくれる人材が早く欲しいんだよね」

真田さんが私に向かってにっこり微笑む。

少女漫画に出て来そうな甘いマスクで王子様系の顔立ち。茶髪の前髪を後ろに流して、紺のスーツをスマートに着こなして……彼の優しげなその二重の目にキュンとなる女子社員は多いんじゃないだろうか。背も百八十近くありそうだ。

でも、どこかで見た事あるような……。どこだっけ?

じっと真田さんの顔を見ていると、彼がクスッと笑った。

「僕の顔に何かついてるかな?」

「あっ……いいえ。どこかでお会いしたような気がしてどこでだったか考えてるんですけど思い出せなくて……」

私はブンブンと頭を振ると、笑って誤魔化した。

もうちょっとで思い出せそうなのに……。
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