クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
ああ~、駄目よ、駄目。面接に集中しないと。

でも……この優しげな声だって聞き覚えある。どこでだっけ……?

こんな格好いい人、そうはいない。すぐに思い出せないって事はかなり昔なんだろうか?

昔……真田……。ああ、そうよ!間違いない!

「あ~、生徒会副会長の真田聖先輩!」

私は思わず座っていた椅子から立ち上がり、真田さんを指差して叫んだ。

道理で見覚えがある訳だよ。

うちの高校ですっごくモテてた二コ上の先輩じゃない?高校の時は前髪を下ろしててすぐに気づかなかったけど……。

昔も格好良かったけど、あれから十年経って大人な魅力が増してもっと素敵になった。

私が二十六だから真田さんは今二十八位だよね。この若さでアストライア自動車の課長補佐なんて凄い。

アストライア自動車は世界でも名だたる自動車メーカーで、海外二十五ヶ国に拠点があり、総従業員数は国内外含めると三十万を超える。
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