クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「でも……家に帰らないと」

「今日は土曜で会社もない。ゆっくり寝ていればいい」

会社はないけどバイトがあるんだもん。

ここで寝てる訳には行かない。

今、何時なんだろう?

キョロキョロと当たりを見渡して時計を探す。

ベッドの上に置いてあるデジタル時計を見ると時刻は午前六時十分。

高輪から自宅までだと電車で一時間はかかる。

もうここを出ないと……。

「私の服……どこですか?」

昨日シャワーを浴び終えた時には消えていた服の所在を朝比奈先輩に確かめる。

「まだ六時過ぎだ。慌てる事はない。それとも、何か急ぐ理由でも?」

朝比奈先輩に鋭い視線を向けられ、私は怯んでうつ向いた。

普通の会社ってアルバイト禁止だよね?

上司にアルバイトがあるからなんて言えない。
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