クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
私と朝比奈先輩の間に虚しい音が鳴り響く。私の腹の虫だ。

彼は目を丸くし数秒沈黙。

私も恥ずかしくて何も言えなかった。

ああ~、ここから消えてしまいたい。

沈黙を破ったのは朝比奈先輩で、彼は私の手の拘束を解くと、額に手を当てははっと肩を震わせて笑った。

……そんなに笑わなくてもいいのに。

私は恥ずかしくて両手で顔を覆い隠した。

もう~、何で今鳴るの!

でも……お腹が鳴ってくれて助かった。でなければ、恋人でもないのにまたキスされてた。

「タイミング良すぎ。腹の虫に救われたな」

朝比奈先輩が私の髪をクシュクシュっと撫でる。

お願いだからそれ以上何も言わないで欲しい。

もう今日は恥ずかしさのあまり死んでしまいそう。

「何かお粥でも作ってくる。早く治さないとまた口移しで水を飲むはめになるぞ」
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