クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
6、家なき子?
「ひよこ」

次の日の日曜日の朝、朝比奈先輩のクールな声で起こされる。

目を開けると、また彼の顔が接近してきて、私は恥ずかしくて目を閉じた。

何度やられたかわからないおでこにコツン。

体温計で測ればこんなドキッとしなくて良いのに……。心臓に悪すぎるよ。

平然とした顔をしている朝比奈先輩に腹立たしさを覚える。

「熱はないな。ご飯食べられるか?」

朝比奈先輩の問いにただ頷く。

彼はジーンズにグレーのシャツというラフな格好。でも、ファッション雑誌の写真のように様になっていて、イケメンは何を着ても似合うんだと思い知らされる。

それに、比べて私はどうだろう。

髪はボサボサだし、スッピンだし……。何で朝比奈先輩にこんな姿見られなきゃいけないの!

しかも……胸だって見られたのだ。

思い出しただけで凹んでしまう。もう泣きたい。
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