クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「妹が置いてったんだ。いつもアポなしで来てはいろいろチェックして回るから困るんだが」

そう言えば、私の一つ下に先輩の妹がいたっけ?

長い黒髪の美少女だったけど、今も変わってないのかな?

「チェックですか?」

「変な女が来てないかとか」

朝比奈先輩がチラリと私を見て意地悪な笑みを浮かべる。

……私が『変な女』と言いたいの?

ムスッとしながら、手を合わせて頂きますをすると、無言でフレンチトーストを口に運ぶ。

外はカリカリで中はジューシー。見た目通り美味しい。

「まだ病み上がりだし、今日も図書館のバイトは休むように」

朝比奈先輩が優雅にティーカップを口に運びながら、私に念を押す。

目の前に座られると威圧感が半端ない。

「何様ですか?」って反論したいところだが、上司様なのだから逆らえない。逆らえば何をされるかわからない事は、もう身を持って知っている。
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