クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「……わかってます」

眉間にシワを寄せながら、私は渋々返事をする。

「ところで、どこの図書館でバイトをしてるんだ?」

「去年新宿に出来た緑の森図書館です」

「……ああ、あそこか」

私の言葉に一瞬朝比奈先輩の目がキラリと光る。

「行かれたことがあるんですか?」

「行ったことはないが、アストライアが出資して出来た図書館だからな」

……知らなかった。

でも、言われてみると、車関係の本も充実してた。施設もすごく充実してて、本好きの人なら一日中いても飽きない。

毎週末やって来る源氏物語好きのおじいちゃんとかいたしね。

「図書館のバイトは自分で見つけたのか?」

「いいえ。大学のゼミの先生が紹介してくれて。アストライアの仕事を紹介してくれたのも教授なんです」

「ふ~ん、なるほどね」

何か考え込むような朝比奈先輩の表情。

私……何かおかしなこと言った?

それ以上会話がなくて息苦しさを感じた私は、紅茶を飲み干すと朝比奈先輩に声をかけた。
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