クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「あの、クリーニング代いくらですか?」

一円でも借りを作りたくなくて朝比奈先輩に聞くが、彼は話をはぐらかす。

「今はわからない。そんなことより早く着替えたら?家に帰りたいんだろ?」

「……わかりました。着替えてきます」

自分が寝ていたゲストルームで素早く着替えを済ませて玄関に向かうと、朝比奈先輩はスマホで誰かと話していた。

「……何か言いたいことがあるなら、後で伺います。じゃあ、切りますよ」

朝比奈先輩は私の姿を見て電話を切ると、スマホをジャケットのポケットにしまった。

「じゃあ、行こうか」

「はい」

朝比奈先輩の後について玄関を出て地下の駐車場に向かい、車に乗り込む。

彼はカーナビを操作して車を発進させた。
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