クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
ひよこの小説?

俺が小さく首を傾げていると、絢香が俺に目を向けキッと睨む。

「もうお兄ちゃんたら!陽世莉先輩と付き合ってるならそう言ってよ」

「違います!」

絢香の誤解を解こうとひよこが即座に声を上げて否定する。

「朝比奈先輩は私の上司で……今日ここにいるのはいろいろと事情があって……」

「お兄ちゃん、どういう事?会社の部下を連れ込んで何を企んでるの?」

絢香が俺に冷ややかな視線を投げるが、俺はそれを気にすることなく落ち着いた様子で答えた。

「別に何も」

「あのう、絢香さん、違うんです。私のアパートが水害に遭って行くところがなくなってしまって……それで……その……」

ひよこが割って入るが、言葉に詰まって下を向く。

多分、あの部屋の惨状を思い出して悲しくなったのだろう。

「たまたま居合わせた俺が一先ずここに連れて来た」

言葉が続かないひよこに代わって俺が簡単に説明する。
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