クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「冷血漢!か弱い女の子が困ってるのに手を差しのべないなんて、お兄ちゃんはなんて意地悪なの!」

酷い言い様。

俺は絢香の罵声に顔が引きつった。

「あ、絢香さん、朝比奈先輩には十分助けて頂いたんです。これ以上、ご迷惑をおかけするわけにはいかないです」

ひよこがあたふたしながら絢香をなだめようとするが、絢香は聞き入れなかった。

「迷惑なんかじゃないわよ!お兄ちゃん、中途半端に助けて、見捨てるの?」

「絢香、お前は少し落ち着け。熱くなりすぎだ」

絢香の肩に手を置いて彼女をたしなめると、またインターフォンが鳴った。

今度は誰だ?

インターフォンに近寄って画面を見ると名古屋に出張に行っていた真田が笑顔で手を振っている。

「無事に展示会終わったよ。お土産買ってきたから」
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