クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】

腕組みしながらハーッと深い溜め息をつくと、俺はひよこに命じた。

「仕事に慣れるまではここに住め。仕事に慣れたかどうかは俺が判断する」

命令口調で言えば、ひよこは俺に逆らえないだろう。

俺の言葉に絢香と真田がニヤリとする。

「朝比奈先輩……」

ひよこが目を見開きながら俺を見上げる。

「口答えはするなよ。それから、俺の家にいることは会社の奴には言うな。真田、お前もだぞ」

俺と一緒に住んでいる事が会社の奴にバレれば何を言われるかわからない。

“俺の愛人”って変な噂を立てられるかもしれない。

「了解。朝比奈がいい奴で良かったよ」

真田はポンと俺の背中を叩くと、俺に顔を近づけ声を潜めた。

「池野さんって庇護欲をそそられるよね？」

「別に」

冷ややかに答えると、真田はフフっと頬を緩ませた。

「そんな涼しげな顔でいられるのも今のうちかもよ」