幕末の妖狐一族 ①
序章
私たち一族は争いが嫌いだった。
仲間が平和に暮らせるよう誰にも見つからないような
森の奥深くへ身を置いていた。

そこで暮らす人々はいつも笑顔で
みんなが協力してお互いを支えあいながら
静かに暮らしていた。

私たちはただただ平穏な生活を望んでいただけなのに。

ある日突然私たちが築いてきたものすべてが
嵐が通り過ぎた後のようになにも残らなかった。



何が間違っていたんだろうか。
何が正しかったのか。



あの日から自問自答するが答えはずっと出てこないまま。



私の生きる支えとなったのは後に生まれた
決して消えることのない復讐心のみだった・・・。


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