幕末の妖狐一族 ①

なぜ彼が驚いたような顔でこちらを見てきたのか私には理由がさっぱりわからない…




「…。鈍感め…」



あまりに小さい声で聞き取れなかった。

「え?なんて言いました?」



「何でもない、その質問の答えはおいおい分かるだろう。」


そう言ってまた歩き出した。





ただ…彼に夫婦になる人がいないと聞きほっとした。
なぜほっとした???

私は疑問を胸に抱きながら彼の背中をついて行った。
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