幕末の妖狐一族 ①
「それにしても…
本当になんだろうこのアザ…」
水面に写っている自分の胸元を見た。
さっきは小さな字だったがいつの間にか
1段と胸に広がっていた。
そう思った瞬間。
突然意識が遠のいていった。
「ふふふ、良い夢を…」
不気味な声が私の頭でこだました…
異変を察知した侍女たちが浴室に入ってきた。
「姫様!?
誰か、誰か、不知火様に不知火ーーー
『グサッッッ…』ひ、め様、ど、して…」
ドサッッッ…
侍女の胸の自分の手で突き刺した。
ビチャッッッッ
手を脱ぎ払い、浴室から出た。
『これから楽しい宴の始まりだ』
狂気に包まれた顔をしていた。