幕末の妖狐一族 ①
ガキンッッ!!ガキンッッ!!
二人の激しい攻防が続いた。
刀を交えていたら…
「っ!!不知火さん!?」
「柚木!!」
柚木が正気に戻った…
と見せかけ、不知火が怯んだその一瞬を見逃さず刀を脇腹に深く突き刺した。
「ぐっ!!!」
ボタボタボタッッ…
だが…
「凛夜!!!」
清平が刺したのは凛夜だ。
「うぅぅっっ!不知火、怪我は…!」
「俺を庇うなど!」
「不知火、正気…に戻ってください!
中身は違えど、体は柚木さんのものです。
いくら妖狐の体の治癒能力があったとしても
致命傷を負えば終わりです!!」