幕末の妖狐一族 ①
14.目覚め
血…
血が欲しい…
ノドが渇く…
柚「ここは…」
体が鉛のように重い…
血が欲しい…
目が紅く血の色のように染まっていく
スーー…
不「目が覚めたか…。」
襖の扉を開け
黒髪で着物姿の男が私に近づいてきた。
柚「あなたは…一体」
不「俺は不知火 鋼(しらぬい こう)
お前と同じく妖狐であり
不知火一族の当主だ。
そんな事より早く血を飲め」
不知火が自分の腕を傷つけ、
私に傷口を近づけてきた。
柚「助けていただきありがとうございます。
ですが、そのような施しは要りません」
不「要らんだと?
自分がどれだけ危険な状態か、
分かっているのか?
いくら不死身の妖狐であろうと、
血を飲まなければ死ぬぞ?」