幕末の妖狐一族 ①
不「今はもう何も考えるな…。
体を休めることだけ考えろ」
不知火は腕の中で眠る彼女を
宝物でも扱うかのように大事に布団へ
運んだ…。
不「凛夜…」
凛「はい、ここに…」
不「城ヶ崎の里を襲った首謀者を
探せ。
それと…
コイツがいる部屋には誰も入らせるな
血も俺以外のものは飲ませるな。
目が覚めたら俺に教えろ…
里の様子を見に行ってくる。
凛「わかりました…
不知火一ついいですか?」
不「なんだ?さっさと言え。」
凛「『花嫁』という肩書きではなく
『城ヶ崎一族の当主』としてではなく
彼女自身について
どのように思っていらっしゃいますか?
」
不「俺を試しているのか?
案ずるな…
俺はコイツを大切にする
俺の命にかけてもだ。
分かったら早く仕事にいけ。」
凛「はい、では失礼します。」
不「さて、俺もさと行くとするか。
念のために結界を貼るか…」