恋も試合も全力で!【番外編】


美味しい夕食を堪能して、

もうすぐ8時になる。


「さて、風呂入りに行くか」

「う、うんっ…」


時間が近付くにつれ、大きく波打つあたしの心臓。


「綾子? もしかして、緊張してんの?」

「ししし、してないよっ///」


そう言ったけれど、槇にはバレバレ。

着替えを持つ手に、つい力が入る。


槇にすべてを見せるのは、もちろん初めてじゃない。


だけど、お風呂っていうのが特別に思えて、

どうしても緊張しちゃう。


槇は、あたしの頭に手を乗せた。


「綾子が嫌っていうなら、俺男湯行くよ? どうする?」


槇の優しさが、心に染みた。

あたしを気遣ってくれてる槇に、申し訳なく思えて。


「槇と一緒に入る」




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