恋も試合も全力で!【番外編】
少し俯く香波。
そして。
「ごめんなさい」
深く頭を下げながら言った香波。
「好きな人が、いるの」
香波に…好きな人?
「そっか…分かった。ありがとう」
「こっちこそ、告白してくれてありがとう」
そのまま、木ノ本が階段を下りてきた。
やべぇっ!!
俺は階段の隅にへばりつくようにして、身を潜めた。
木ノ本は俺に気付かずに歩いていった。
香波はどうやら上へ行ったみたいだ。
俺はその場から動けなかった。
香波に好きな人…?
なんでこんなに胸が痛むんだろう。
なんでさっきから香波のことばかり浮かんでくるんだろう。
この意味を知るのは、もう少しあとのお話…
《END》