恋も試合も全力で!【番外編】
気持ちを伝えるって…
今までずっと香波が嫌いで、嫌な態度ばかり取ってきた俺が
いきなり好きだなんて言ったって、香波が笑ってくれるわけない。
それに香波には、好きなやつだっているんだし…
告ったって、迷惑なだけだよな…?
少し暗くなった俺の頭を、裄さんは軽くポンポンと叩いた。
「まあ、そんな悩まなくても、時間がなんとかしてくれるから。お前は素直になることだけ気を付けろ」
そう言って微笑みかける裄さんは、本当にかっこ良いと思った。
「ほら、浅海行くぞ」
「え? 行くってどこに…」
「槇んちだよ、槇んち」
「なんで槇んち……って、待ってよ裄っ」
裄さんは急に立ち上がると、そのまま部屋を出て行ってしまった。
姉ちゃんもそれを追いかけるように、部屋を出た。
俺も自分の部屋へと戻った。