恋も試合も全力で!【番外編】


「香波はさ、好きなやついんの?」


気付いたら、聞いてた。


「いるよー」


一気に嬉しそうになる香波。

少し照れたような表情。


分かってたことなのに。

胸が苦しいかも…


「それって、どんなやつ?」


聞きたくないのに、口が勝手に動く。

香波の好きなやつ聞いたって、傷付くだけなのに。


「えっとねー、バカで口悪くてどうしようもないやつ!」


は?

そんなやつのどこがいいんだよ。

それなら俺の方が何倍もいいじゃねぇか。


「そんなやつのどこがいいわけ?」

「えー。なんかね、いろんなことにまっすぐなの。部活中とか特にね」


てことは、バド部のやつ?

結城か?

でもあいつには由真がいるし…

結構身近にいたライバルに、俺は嫉妬心剥き出しでいると。




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