恋も試合も全力で!【番外編】
*あいつの存在【香波】
【香波】
あいつを好きだと思ったのは、中三の夏だった―――。
中学生活最後の大会。
そんな大事な大会で怪我するなんて…
あたし、馬鹿だよ…
中学でバドは終わりにしようと思っていたあたし。
だからこの大会があたしにとって、人生最後の大会。
絶対に、優勝したかった。
なのに。
足捻っちゃって。
思うように動けず、1回戦負け。
あたしのバド人生、これで終わり。
悔しいよ…
こんな終わり方ってないよ…
長椅子に座って、涙を流すあたし。
悔しくて、悔しくて………
いくら拭っても、涙は止まらない。
テーピングで固定された足を見ると、余計に。
心なしか、足もズキズキして。
どうしようもなくなっていた、その時。