恋も試合も全力で!【番外編】
「綾子っ!」
あたしはすぐに綾子のところへと飛んでいった。
「あっ、浅海ー。一回戦突破おめでとー」
「ありがとうー………じゃなくてっ!」
「何? どうしたの?」
「あたし…恋しちゃったかもしれない…」
「は!?」
あの時の綾子の驚きようは忘れない。
口なんてあんぐりと開けて、その後パクパクさせながら、何かを言おうとして。
けど声になんかなってなかった。
そりゃそうだよね。
試合から帰ってきていきなり『恋した』なんて。
あたしが綾子の立場でも、同じことになってるかも。
「で!? 誰に恋したの!?」
「んーと、高江中の笠原くん」
「高江中の笠原くんって、確か去年の試合で足ケガした人だよね?」
「え? そうだっけ?」