恋も試合も全力で!【番外編】
「あんた確か、高江の真柴だっけ?」
「え…? 知ってんの?」
「だって俺、今日主審してたもん」
そういえば、主審男だったっけ?
あんまり顔見てないから覚えてないや。
「三年だろ? なんで足捻ってまで、試合すんの? まだまだこれからあんじゃん。今足壊したら、意味ねーだろ?」
あたしに問いかける彼。
彼は、まだ先を見つめてる。
自分がバドをやってる未来を。
でも、あたしは………
「あたし、中学でバドやめるから」
そう。
あたしの未来に、バドはない。
だから絶対に負けたくなかった。
諦められなかった。
そんなあたしに、彼が言った言葉。
「なんでやめんの? センスあんのに勿体ねぇじゃん。俺一緒に、バドしたいって思ったし」