恋も試合も全力で!【番外編】
あたしは、この言葉のおかげで、
今もバドを続けてる。
この言葉が無ければ、今のあたしには何もなかった。
すべて、この言葉のおかげ。
「じゃあ、俺行くわ」
「あっ、待って!」
気付いたら、引き留めてて。
「名前…なんていうの?」
恐る恐る聞くと、
「梨元遼多」
フッと笑いながら、教えてくれた。
その声が、顔が、すごくかっこ良くて。
あたしの胸はドキドキしっぱなし。
それからあたしは、進学校志望だった進路を、
遼多の地元にある、南高校に変えた。
遼多がいるかは分からない。
けど、可能性にかけてみたいと思ったんだ。
遼多があの時言ってくれた、
“一緒にバドがしたい”
って言葉。
あたしも遼多とバドがしたい。
そう思うから。
高校で遼多に再会した時は、涙が出そうなくらい嬉しかったんだよ。