恋も試合も全力で!【番外編】
あたしは中学の頃から好きなんだもん。
ずっとずっと、遼多を見てきたんだもん。
誰にも渡したくない。
負けないんだからっ。
そう意気込んでいた時。
「好きなんだ、真柴のこと」
教室に向かう途中の階段であたしを呼び止めたのは、
隣のクラスの木ノ本くん。
遼多と一緒で、ベスト3に入るイケメンくん。
あたしは特に興味なかったんだけど、友達が騒いでたから知ってる
そんな人からの、いきなりの告白。
なんであたし…?
疑問が頭の中に浮かぶ。
何の取り柄だってないのに、こんな人に好かれる理由がよく分からない。
あたしは少し俯きながら、口を開いた。
「ごめんなさい」
そして、深く頭を下げた。