恋も試合も全力で!【番外編】
去年の試合で足ケガした人って…
あたしが確か、ゼリーあげた人だよね?
あれって笠原くんだったの?
「よしっ! 高江中ね! あたしに任せといて!」
「え? 綾子、何すんの?」
「いいから!」
この大会でのことだった。
綾子と槇が仲良くなったのは。
槇と話す綾子のそばで、あたしを見る男の子。
「あ、さっきの試合の子だ」
声のした方を見ると、あたしに笑いかける裄がいたんだ。
「さ、さっきはありがとう!」
あたしはドキドキする胸を抑えながら、裄にお礼を言った。
「お礼言われるようなことなんてしてないよっ。次も頑張ってね?」
「うんっ」
この時感じた。
あたしはやっぱりこの人が好きだ。
一目惚れなんて、軽いかもしれない。
それでもあたしは、この人が好きなんだって思った。