恋も試合も全力で!【番外編】


クリスマスイブ。

カップルでごった返す町で、あたしは1人立っていた。


待ち合わせの時間まではあと10分。

ワクワクしすぎて、早く来すぎちゃったんだ。


柱にもたれかかって、遼多を待っていると、


「…ひゃっ!」


いきなり頬に当てられた、温かいもの。

そーっと振り返ると、そこには遼多がいた。

あたしの頬に当たってるのは、ホットのレモンティー。


「お前、ひゃってなんだよ」


笑いながらレモンティーを手渡してくれる遼多。


「だって、びっくりしたんだもん」


少し頬を膨らませて、遼多から受け取った。


「どうせ早く来すぎたんだろ。ほら、ほっぺた冷たいし」


そう言って、頬に手を添える遼多。

あたしの顔は一気に赤くなった。




< 150 / 162 >

この作品をシェア

pagetop